まれに「自分には感情がない」と言う人に出会うことがあります。また、自分自身についてそのように思っていると言う人もいるのではないでしょうか。ですが、果たしてこれは事実なのでしょうか。
今回の記事では、「何を考えてるか分からない人」と思われる人が、感情表現を豊かにする方法についてご紹介します。
「何を考えてるか分からない人」が感情表現を豊かにする方法
感情がない人はいるのか?
結論から言えば「感情がない人」というのは存在しません。人間に限らずほとんどの動物は「感情」に基づいて行動を決定しています。
感情を作り出す源となっているのが「本能」です。あらゆる生物は本能の存在なしに生きていくことは出来ません。
ですが、それでは何故あらゆる人間に本能やそれによって作り出される感情が存在するにもかかわらず、「感情がない」ように見えてしまう人が存在するのでしょうか。
それを考えるために、ここで一つの思考実験をしてみましょう。
例えば、ある程度お腹が減った状態にある人の目の前に、お菓子が置かれていたとします。ある人はそのお菓子を食べ、また別の人はお菓子を食べませんでした。この場合、素直にお菓子を食べた人は本能に従って行動をした感情的な人ということができます。
では、お腹が減っているにもかかわらずお菓子を食べなかった人は「感情がない人」なのでしょうか。
例えばそのお菓子が他の人が自分で食べるために用意したものであったり、あるいは来客用に用意されたものであるという可能性が考えられた場合はどうでしょうか。
「飢餓状態」であるならともかく「小腹がすいた」程度でそのお菓子を食べてしまった場合、後でそのお菓子を用意した人から怒られたり、喧嘩になってしまったりする可能性もあります。
お菓子を食べなかった人は「リスクを回避する」という感情に従ったということができます。「リスク回避」とはあらゆる生物に備わっている本能の働きです。
この場合、お菓子を食べなかった人は「お腹が減った」という本来の感情の働きを「リスク回避」という別の感情の働きによって制したということができます。
このようにあらゆる人間には「感情」が存在するのですが、その感情の発露のさせ方によっては「冷たい人」「変わった人」とみなされ、対人関係に支障をきたす可能性もあります。
そこで今回は、そうしたトラブルを未然に防ぐ「感情の発露のさせ方」について紹介していきたいと思います。
それでは、早速見て行きましょう。
好き嫌いをハッキリさせる
「感情」とは「本能」によって作り出されると前述しましたが、「本能」とは要するに「快・不快」を司る働きです。生物は基本的に「快」へと近づき「不快」からは遠ざかろうとします。
上手な感情表現をするためには、まず自分にとって何が「快」であり「不快」なのかをはっきりと客観的に意識することが第一歩です。
今自分が思っていることを書き出す
自分の感情を客観的に意識できるようになったならば、次にその感情を日記のように記録していきます。
その記録を後から読み返したりすることにより、自分自身の感情のパターンの傾向、法則性を認識することが出来るようになり、また自分自身について素直に受け止められるようにもなります。
あえてネガティブ感情を出してみる
「他人と衝突したくない」という「リスク回避」的な感情の働きにより、ネガティブな感情を発露させるのを押し殺してしまう人は少なくありません。
しかしこれは自己に対してストレスをかけてしまうだけでなく、周囲の人間たちも「あの人になら何をしても良い」と見くびった考えを持ち、余計に負荷をかけられやすくなり、事態は悪化していってしまいます。
もちろんやり過ぎは良くありませんが、時にはネガティブな感情も発露できるようになりましょう。
ストレスを溜めに溜めて最終的に大爆発させるよりは、定期的に小噴火を繰り返したほうが長期的には安定しているように見えます。
謝るのではなく感謝する
他人に何か良いことをされた時には、「すみません」と謝るよりも「ありがとうございます」と言うようにしましょう。
これは「ネガティブな感情」ではなく「ポジティブな感情」を見せることにより対人関係を良好にするテクニックです。
芸能人の真似をする
「リアクション芸」という言葉があるように、バラエティ番組などに出演している芸能人は感情を発露させることを仕事としている人たちです。
そのような人たちがどのような表情や仕草を取るかを観察し、自分自身の行動にフィードバックさせていくことにより、あなた自身も周囲から「感情表現豊かな人」として認知されていきます。
医師に相談する
世の中には本当に「感情を無くしてしまった」かのように見える人も、ごくまれにですが存在します。これは非日常的な強い感情を体験することにより、日常で体験する程度の出来事では感情が動かなくなってしまうと言う状態です。
これは19世紀後半から治療、研究が始まり、人類史上初めて大量破壊兵器が用いられた第一次世界大戦後、当時の兵士たちに斯様な症状が見られたことから本格的に問題として認知されるようになりました。
またその後同様の症状が自然災害や虐待などの後にも見られることが分かり、現在では「失感情障害」や「PTSD」などさまざまな呼称が与えられています。
もしこのような疑いがあるという場合には、然るべき医療機関に相談されることをオススメいたします。
まとめ
「何を考えてるか分からない人」が感情表現を豊かにする方法
・好き嫌いをハッキリさせる
・今自分が思っていることを書き出す
・あえてネガティブ感情を出してみる
・謝るのではなく感謝する
・芸能人の真似をする
・医師に相談する
いかがでしたか?ぜひこれらを参考にし、円滑な対人コミュニケーションを目指していってみてください。
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