凶夢か吉夢か…夢占いで潜在意識からのメッセージを知ろう!

「すぐ忘れなくなる」記憶力を高める方法

心理学

ある人に0.5秒のスピードで何十枚もの写真を見せます。30分後に、見ていない写真を見た写真と混ぜて、自分の見た写真はどちらか尋ねたらすべて正解しました。

あなたはこの話を聞いて、この記憶できた人はどんな人だと思われますか。IQの高い天才か、記憶術のチャンピオンかと思われるかもしれません。しかし実はこの人はごく普通の一般人です。

誰もがちょっとした訓練をすれば、今まででは考えられないような膨大な量を瞬時に記憶できるようになります。

誰もがそのような能力を持っています。必要なのはその持っている能力を正しく活用することです。

そこでこの記事では、記憶力を高めたいあなたに向けて具体的な実践方法をお伝えします。

 

「すぐ忘れなくなる」記憶力を高める方法

記憶力がアップするための必要な情報

私たちはみな記憶力が良い

もしかしたらあなたは「自分は記憶力が悪い」とか「頭が悪い」と悩んでいるかもしれません。でも安心してください。

何かの病気でない限り私たちはみな記憶力が良いのです。

例えば「ど忘れしてしまった」と感じることがあるでしょう。これは脳の中に情報そのものがなくなったのではありません。

そうではなく「その情報がうまく取り出せない」という状況です。実際情報は脳の中のどこかにちゃんとあります。

天文学者のカール・セーガンの推定によると、人の脳は世界最大の図書館に収められている数(およそ2,000万冊)に匹敵するほどの情報を蓄えることができるとしています。

また、「人は平均寿命の間に脳の潜在能力の0.01%しか使っていない」と見る神経科学者もいます。

このように私たちの脳には驚くべき可能性があり、その力を正しく引き出せばあなたも記憶力の達人になることができます。

 

忘れることは必要

脳科学を専門にしているピアス・J・ハワード博士によると、人は平均すれば自分の受け取る100個の情報のうち99個は忘れるようです。

100分の1しか記憶できないと聞くと少しもったい気がするかもしれませんが、それが正常なことなのです。というよりは、そうしないと脳は大量の情報に押しつぶされてしまいます。

私たちは無意識のうちに膨大な量の情報を毎秒取り入れています。目で見たもの、耳で聞いたもの、味わったもの、それだけでなく触れたもの、感じたものはすべて一度記憶されます。

そして必要ではない情報は捨てられます。これが「忘れる」ということです。

もしあなたが忘れる量をある程度コントロールできるなら記憶力は確実にアップします。

 

記憶のメカニズム

記憶は「超短期記憶」→「短期記憶」→「長期記憶」という三つの領域に分けることができます。では実際の例からそれぞれの役割を考えてみましょう。

あなたはカフェで友人から山田さんという一人の男性を紹介されました。あなたはそのときにその男性だけではなく、無意識に覚える必要ではないたくさんの情報を取り入れています。

例えば、周りにはたくさんの人がいます。たくさんの話し声が聞こえます。タバコの匂いがする中コーヒーの味を確かめています。

これら膨大な情報のすべては「超短期記憶」におよそ10分の1秒間保持されます。

超短期記憶を確かめたいなら一度目を閉じてみましょう。今見た画像が一瞬浮かんでくると思います。声や匂いや触覚も覚えていますね。それが「超短期記憶」です。

そして、その中から自分にとって必要なごくわずかな情報が「短期記憶」に移動します。

つまり、あなたが取り入れた膨大な情報はすべて「超短期記憶」が一度保持した後、その中で必要な情報が自動的に「短期記憶」に数秒間保持されているのです。

 

脳は必要なものしか覚えない

さて、話を山田さんについてに戻しましょう。

友人から山田さんの紹介を受けたあなたは数秒後にこのように言うでしょう「山田さんですね。私の名前は○○です。」

この時点で山田さんの名前を数秒間記憶しているので、「超短期記憶」から「短期記憶」に移動していることがわかります。

しかし、家に帰ったときあなたはこのように言います。「あれ、今日あった人の名前は中田さんだったっけ?山本さんだっけ?」

そこで山田さんの顔を思い浮かべながらもらった名刺をもう一度見てこうつぶやきます。「そうそう、山田さん!」

この段階で「短期記憶」から海馬という部位を通して「長期記憶」に移動しました。

このように何度か繰り返し覚えようとしたことで、脳の海馬という部位が「これは自分にとって必要な情報だ」と判断し「短期記憶」から「長期記憶」に移動することを許可したのです。

自分にとって必要だと思う情報だけを脳は「長期記憶」に移動させ、長期間覚えておくことができるようにします。

 

脳をとにかく使おう

あなたが覚えたい情報に対して、脳が必要かどうか判断することはあなたの意志では決めることができません。

ではどうすれば脳が必要だと判断するかといえば「何度も何度も使う」ということです。生きるために必要なものと判断すれば海馬はすぐにそれを長期記憶に運んでくれます。

しかし、一度でそれがわかるためには強烈な情報でなければなりません。

もしそうではない場合でも、ある情報を何度も何度も使い、海馬に同じ情報を持って行くなら、「この情報は何度も来ているので生きるために必要なのかもしれない」と判断し、長期記憶に移動する許可を出すのです。

 

記憶しようとすることが良い

この「記憶しようとすることが良い」ということに関して、興味深い事実がわかってきています。

以前は脳の神経細胞は年齢を重ねるごとに減り続けるというのが定説でした。しかし、海馬にある神経細胞は減ると同時に増えていることがわかったのです。

これを例えるなら、海馬の神経細胞はスーパーマケットのレジです。お客さん(情報)は多いのにレジ(海馬の神経細胞)が少ないとすぐに行列になってしまいますよね。

そしてあまりにも列が並んでいるのをみると会計(長期記憶域へ移動)を諦めて帰ってしまうお客さんもいるかもしれません。

そこで店長はいつもレジが混んでいることを解決するためにレジ係を増やします。

このように海馬の神経細胞は多ければ多いほど入ってくる情報を一度に多く判断することが出来、より多く記憶できるようになります。

ただし、もしいつもレジが空いているならレジ係を減らしてしまいます。

同じように、海馬の神経物質も使わなければ必要ないと判断され減り続けるため、記憶力はダウンしてしまいます。

 

記憶すればするほどさらに記憶しやすくなる

もじ「最近物忘れがひどくなった」と感じているならそれは年のせいではなく、使っていないから神経細胞が減ってしまっているだけなのです。

研究の示すところによれば、70歳を過ぎても神経細胞は増え続けることがわかっています。

実際アメリカでは70歳を過ぎているおじいちゃんが大統領選に出馬しています。

大統領になるには覚えることが膨大にあるはずですが、これができるのは特別な能力というよりは、今までずっと海馬の神経物質を使い続けているからです。

つまり、ある情報を何度も覚えようとするなら海馬が必要と判断し長期記憶への移動許可を出しますが、その海馬自体も何度も使われると脳がさらに神経細胞を必要していると判断して増えていくのです。

たくさん使えば誰でも海馬の神経物質は増え、物事を記憶できる速度やはどんどん早くなり、記憶する量はどんどん多くなるのです。

日常生活から記憶力を高める方法

何事にも興味を持とう

歴史上の人物は全然覚えられないのに、好きなアニメのキャラクターについては周りがビックリするほど覚えている子供がいます。

これを記憶力アップに応用してみましょう。それは「興味を持つ」ということです。

記憶力をアップさせるに、覚えたいものに対して好奇心を持って取り組んでみましょう。

興味があるものは覚えやすいという現象は、脳の中で海馬の隣に扁桃体(へんとうたい)があるということで説明がつきます。

池谷裕二博士は著「海馬 脳は疲れない」の中で「海馬が、扁桃体の感情を参照しながら情報を取捨選択していく」という仮説を立てています。

海馬は短期記憶の中にある「生きるのに必要な情報」を長期記憶に移動する許可を出す部分です。

この「生きるのに必要な情報」の判断材料として、その情報に対してどれほど感情を持っているか、つまり興味を持っているかを参照しています。

つまり、ある情報に対して扁桃体が激しく反応していると、「これほど反応している、ということは生存に必要な情報に違いない」と判断し、長期記憶域にその情報を移動する許可を与えるのです。

 

色々な角度から情報を仕入れよう

もし、どうしても興味が持てないものに対しては、色々な角度からの情報を仕入れてみましょう。

例えば日本史の年号がなかなか覚えられないかもしれません。意味のない数字の羅列を強制的に覚える作業は扁桃体が働かないので、すぐに覚えられないのは当たり前です。

しかし、その年に何があったか、そこにどんなドラマがあったか、世界では同じ年に何があったか、それが今の日本にどのような関係があるのか、といった情報を知るとその数字は意味を持つことになります。

そして、その違った角度からの情報により日本史の年号に興味を持つようになるのです。

「この年にこれがあったおかげで今これがあるんだな」とか、「この年に日本がこれをしていた時に地球の裏側ではこれがあったんだな」などのように物事を関連付けすることで興味を持ち、記憶力がアップすることにつながります。

実際大河ドラマやマンガ日本の歴史などがキッカケとなって歴史が好きになった、という子供も少なくありません。

どうしても覚えられないものには少し遠回りに感じるかもしれませんが、それに関係する色々な情報を取り入れて興味を持つようにしましょう。

 

幸福な人は記憶力も良い

「あの人はなんであんなに記憶力がいいのだろう」という人がいます。何か特別な記憶術を知っているわけではないのに、学んだことがすぐに頭に入っているのです。

実はその秘密は「幸せ」にあります。

その人はいつも楽しそうではありませんか。ちょっとしたことに感動したり、些細なことにも感謝したりするではありませんか。

そんな幸福な人は記憶力もいいのです。

寺島崇司博士は論文の中で、良いホルモンを出すことによって集中力を高める方法について説明しています。

同博士はβエンドルフィンというホルモンについて次のように説明しています。

βエンドルフィンには免疫力を高める効果もあり、さまざまなウィルスに対する抵抗力がつくと考えられています。

このホルモンは、記憶力の向上、人間関係を平和に保つこと、やる気、忍耐力、また想像力を発揮することなどにも貢献しています。

ドーパミンやアドレナリンなどのホルモンは人体にとって有用な働きをしますが、過剰に分泌されると悪い影響を及ぼします。

しかし、βエンドルフィンに限っては100%有用な働きしかしないのです。

そして同博士は、「βエンドルフィンを分泌させるようにするならば、体に害を及ぼすことなく、自分の能力を最大限に発揮できるようになる」とも説明しています。

このβエンドルフィンは楽しいだったり、嬉しいといったポジティブな感情が湧いたときに分泌されます。

 

いつも積極的な見方をしよう

では、どうしたらβエンドルフィンを常に分泌し幸福な状態でいられるのでしょうか。

感情は考え方によって形成されます。

そして脳は可塑性(押したら元に戻るゴムボールのような弾性ではなく、押したらその形のままになる粘土のようなもの)があるので、何度も同じ思考をしているとその思考をしやすくなるのです。

つまり、物事を常にプラス思考で考えていると、最初は無理やり感があってもだんだんとその考え方へと変わっていきます。

そしてその思考パターンが感情にも影響を及ぼし、嬉しいとか楽しいというポジティブな気持ちになり、βエンドルフィンが自然と分泌されるようになるのです。

逆にネガティブな思考パターンに気付いたのなら、記憶力に悪影響を及ぼすその考え方を避ける、つまり考えないようにして下さい。

そのような思考パターンに陥ったら、マイナスの風船が膨らんでいることを想像し、「あっ、また膨らんでいる」という気持ちで客観的に見るようにして下さい。

自分を客観的にみることは、思考をコントロールするのに役立ちます。

特に「勉強は嫌い」とか「面倒臭い」といつも言っていると、その思考が癖になってしまい、記憶力も働かなくなってしまいます。

逆に、「勉強が楽しい」とか「新しいことを知れてワクワクする」といつも思考すれば、あなたの記憶力は飛躍的にアップするでしょう。

 

生徒ではなく教師になる

生徒として学習するというのは受け身の作業です。いわば他の人が苦労して得た情報をもらうだけです。人間は楽をすると得るものもそれだけ小さくなるようにできています。

逆に、教師つまり教える側になる人は、自分が理解したことを相手にわかりやすい言葉で説明するためにゼロからもう一度まとめなければなりません。

あなたも理解したと思ったことでも、言葉にしてみると意外と難しく感じることがあるでしょう。実際それは本当に理解したとは言えません。そして理解していないことを記憶するのは難しいのです。

教師になって教えるようになると、自分がうろ覚えだったものも整理してしっかり記憶することになります。また、学んだことを教えることは復習にもなります。

そこで、学んだことに対して、教える側になってみましょう。記憶が新しいうちに他の人に教えてあげてください。

学んだばかりのことを教えるのは緊張しますし、必死になると思いますが、その努力は記憶力アップにつながります。

 

酸素をたくさん取り入れよう

人間の脳は「酸素」を常に必要としています。

私たちが取り入れる空気は一度肺に入りますが、その大半は脳が消費しています。しかし、ほとんどの呼吸は浅く脳に十分な酸素が行き届いていないのです。

酸素が十分に脳に行きわたるなら集中力や記憶力が向上することができます。

そこで必要な酸素をしっかり取り入れるために、背筋を伸ばすことと深呼吸をするようにしましょう。

深呼吸するときは出来るだけ腹式呼吸をし、息を吐き出すときはゆっくり吐くようにしてください。

また、都会の汚れた空気の中にいると無意識のうちに呼吸が浅くなってしまうことがあるため、週末は公園や自然のきれいなところに行って新鮮な空気をいっぱい吸ってください。

特に朝は植物が新鮮な酸素をたくさん出しているので、早朝の散歩は気分転換になるだけでなく記憶力を高める良い方法といえるでしょう。

 

記憶力が高まる食材を摂ろう

記憶力を高めるために必要な栄養素はたくさんあります。例えばコーヒーのカフェインは興奮作用があるだけではなく、記憶力を高めることができます。

チョコレートに含まれるポルフェノールも効果的です。カフェインよりも興奮作用は弱めですが、記憶力の向上は長く続きます。

ポルフェノールはカカオに入っているので、ホワイトチョコレートではなくカカオがたくさん入ったチョコレートを選びましょう。休憩にコーヒーを飲みながらチョコレートを食べるととても効果的です。

他にも、αリノレン酸が豊富に含まれているクルミは記憶力や学習能力を高め、さらに血流が良くなるので脳に酸素が行きわたるようになります。

また、水分不足は脳にダメージを与えます。そのため1日2リットルを目安にこまめに水分補給をするようにしましょう。

 

変化のある学習をしよう

あなたは家で勉強する派でしょうか。外で勉強する派でしょうか。

家で勉強する人にとって外で勉強することは、「あんなうるさいところでは集中できない」とか「行くのが面倒くさい」「お金がかかる」など意見が多々あることと思います。

でも一度騙されたと思って外で勉強してみませんか。意外と集中できると感じるでしょう。

なぜなら人間の脳は常に変化を求めています。そして狭いところよりも広いところで学習すると効果的であることが実証されています。

家の中で閉じこもって勉強するよりも、外に出てみることで脳が開放的になり、勉強する意欲につながります。しかも周りの騒音も気にならないくらい集中することもできます。

確かにお金はかかりますが、かかった分集中しようという気になりますし、実際のところ、なにかの塾やセミナーに行くことを思えばはるかに安い値段で学習することができます。

おいしい食べ物や飲み物を食べながら勉強すればよい気晴らしになりますし、そのように扁桃体を刺激すること自体が記憶につながります。

 

記憶力アップに効果的な復習方法

効率の良い復習のタイミングとは

ヘルマン・エビングハウスというドイツの心理学者は、覚えにくい意味のない3つのアルファベットの羅列を、被験者にたくさん覚えさせるという実験をしました。

そしてその記憶がどれくらいのスピードで忘れられていくかをグラフ化したのが、有名な「エビングハウスの忘却曲線」です。

この実験から、人は20分後に42%、1時間後に56%、1日後に74%、1週間後77%、1ケ月後79%、忘れてしまうという結果が出ました。

この結果から次の3つの事実を理解できます。

1.忘却は直線ではなく曲線である
2.記憶は、覚えた直後に半分近く忘れてしまう
3.1日すぎて残った記憶の忘却はゆるやかになり、長く保持される

そして、この結果を活用すると効果的な復習のタイミングを知ることができます。

忘却が直線つまり一定の割合で進んでいくなら、単純に何度も復習すればよいのですが、曲線なのでタイミングによって記憶できる量の効率が変わってくるのです。

まず第一のポイントとして記憶は5回の復習で定着します。詳しく分けると以下になります。

①20分後
②1時間後
③翌日
④1週間後
⑤2週間後
⑥1か月後

最初の20分後は学習プログラムに含めれば良いで復習は実質5回になります。

ここでポイントは、忘却曲線によると「1日すぎて残った記憶の忘却はゆるやかになり、長く保持される」ということでした。

つまり、1週間後、2週間後の計画をたてて実行するのは難しいかもしれませんが、翌日までに2回復習すれば7割以上覚えていてその後も長く残ることになります。

あとの3回はできればするくらいでよいでしょう。

そして「記憶は、覚えた直後に半分近く忘れてしまう」ので、試験などがある場合は、当日のできれば一時間以内にもう一度復習するようにしてください。

忘却の仕組みは海馬が必要ではないと判断した情報を長期記憶域ではなく別の場所に移動させることです。

パソコンで例えるなら完全に削除したのではなく、ゴミ箱の様な場所に移動していることになります。

そして復習することはゴミ箱の中からデスクトップに戻す作業になり、初めて取り入れる情報よりも少ない労力で情報を取り出すことができます。

復習時間

また、復習にかける時間ですが、たった1分だけでも記憶力の維持には十分です。

ある大学教授が復習に1分間費やすと記憶力が2倍になることを実証しました。それは実際に勉強に費やす時間に比べたらごくわずかな代償ではないでしょうか。

 

効果的なノート術

繰り返し復習することが記憶力アップのカギになりますので、まずは覚えたい内容をノートにまとめておくようにしてください。

そして上手にノートにまとめることが出来るなら、1回の復習時間はほんの少しでも非常に大きな効果を持ちます。

ノートに記述する際、記憶力がアップするための画期的な方法があります。

それはモノトーンで箇条書きにとる従来の方法から、カラフルで絵画的に書き放射線状に広げていく方法で「マインドマップ」「メモリーツリー」などと呼ばれています。

画像出典:http://allabout.co.jp/gm/gc/24757/

これは「ノートをとる」のではなく「ノートを作る」方法ともいえます。方法は下記の通りです。

1.テーマとなる基本イメージをノートの中央に書きます。この時このノートの中心となる考えを書きましょう。できるだけ絵を使って描いてください。

2.中央のイメージから放射線状に書いた太い枝の上にキーワードを書きます。この際中央のイメージに対する考えを書いて下さい。

3.枝は何本でもかくことができますが、「1つのキーワードにつき1本の枝とする」というルールを守ってください。そして各枝は色分けして書くとより記憶に定着します。

4.太い枝のキーワードから連想して枝を広げていきます。枝はどこまででも広げることができます。

 

マインドマップの効果が高い理由

マインドマップが長期記憶に定着するのに役立つ理由は、私たちの創造性を刺激するからです。

例えば英単語を覚えるようとする場合、マインドマップを作成するなら自分で必要だと思った単語を想像して自分で作っていることになります。

これは人が作った単語集を読んで覚えるよりもはるかに効果的です。

また、種類ごとにまとめて覚えられるので一度に多くの単語を記憶でき、学んだことを効率的に復習することができます。

復習の時間の節約はより多くの復習ができることにつながり、一回の負担が少ないので復習しようという気になります。

このときもエピングハウスの忘却曲線に従ったタイミングで復習しましょう。一回の復習時間のほとんどは1分未満でも十分なはずです。

 

細かい部分にこだわりすぎない

さて、どんなに優れたメソッドでもそれを用いることができなければ無意味です。

5回の復習のタイミングにこだわりすぎていたら、そのうち面倒臭くなって復習するのも嫌になってしまうかもしれません。

肝心なのは繰り返し復習することです。復習のタイミングはあくまで目安程度にしておきましょう。

マインドマップの作成も、箇条書きのノートに慣れている人にとって画期的すぎて作成がなかなかできない人もいます。難しく感じる場合は、細かい部分にこだわりすぎないようにして下さい。

また、自分一人でやるのではなく誰かと一緒にやるのはとても良い方法です。

同じ勉強をしている仲間がそれぞれ違ったテーマでマインドマップを作成しそれを共有するなら、一体感が湧くだけでなく効率よく物事を記憶できるでしょう。

また、絵が苦手だと感じている人もあきらめないでください。どんなに下手な人でも続けていると必ず上手くなります。

仮に下手だとしても、下手なりにインパクトのある絵を描くならそれが記憶の定着に役立ちます。

効果的な記憶術

教育的エクササイズ

脳に損傷があり会話能力をほとんど失った人がいました。その夫人が泣きながら医者に訴えかけ、治療を求めました。医者の治療は画期的なものでした。

手術やリハビリではなく患者の腕を活発に動かすように指導したのです。およそ3年後その夫人は医者に次のように訴えるようになりました。

「この人しゃべりすぎるのです。どうか以前のように黙らせて下さい。」

笑い話のような話ですが、実際腕を使うことと言葉を用いることはそれほど密接な関係があるのです。

脳の中を見てみると、腕を使う中枢と言語野が隣にあるため、腕を使うことが言語野を刺激するのです。

この腕と言語野の関係を応用したのが「educational exercise(教育的エクササイズ)」です。その方法は次のようなものです。

1.30㎝以上の出来るだけ大きいバルーン(風船)をつくります

2.利き手ではない方の肘でゆっくりやさしく打ちます

3.打った瞬間に学びたい単語やフレーズを言います。英単語の場合、アクセント(強調する文字)のところで打って下さい(例えばÉmpacyならEのところで打ちます)

できれば時間の節約のため予め語彙のリストを作っておきましょう。時間は5分から10分くらい毎日行うことです。

行うタイミングは勉強していて眠くなったときがおすすめです。英語を勉強しているとしたら例えば

1日目は数字を言いながら手で打つ
2日目は曜日を言いながら足で打つ
3日目は月の名前を言いながら頭で打つ

というように単語の種類ごとに体の部位を変えることもできます。エキサイトするために手で打つなど負荷をかけるようにするとより記憶できるようになります。

また名詞、動詞から主語+動詞、簡単な文章というように慣れてきたら難しくしていくこともできます。

例えば①単語(バナナ)→②2つの単語(黄色いバナナ)→③文章(私は黄色いバナナが好きです。)

このメソッドはとりわけ歴史や化学などの暗記科目ものを扱うのは効果的です。書いて覚えるよりも楽しく早く効率的に覚えることができます。

もし、ある程度の場所がない場合は、学習するとき体に負荷を与えることがこのメソッドのポイントなので、例えば利き手ではない手でボールを上に投げるなど、目立たない仕方で応用することができます。

 

連想記憶術

ペグ・ワード・メソッドという連想記憶術をご紹介します。

いわゆる語呂合わせのことですが、あなたも学生のころ1192年鎌倉幕府設立を「いい国つくろう鎌倉幕府」といった語呂合わせで覚えた経験があるのではないでしょうか。

脳は「意味がない」とか「つまらない」と思うと記憶力が鈍くなりますが、知っている情報とリンクすることにより関心が高まり記憶しやすくなります。

また、画像を思い浮かべるなど、右脳を働かせながら覚えると記憶力がさらにアップすることがわかってきています。

これらの事実を連想記憶術に応用していきましょう。連想は奇抜であればあるほど覚えやすくなります。

次の例は日本語→英語→連想の順に表しています。連想するときは5秒から10秒ほど目をつぶって状況を思い浮かべてから次の単語を覚えるようにして下さい。

許す→allow(アラァウ)→「お皿アラァウから許して!」テストの結果が悪くて母親に怒られている男の子を想像して下さい。母親は怒って湯気がでています。

賛成する→(アグリー)→アングリーと口を開けながら手を挙げて賛成している人を想像して下さい。

包む→wrap(ラップ)→ラップで何かを包んでいる人を想像してください。何を包んでいるかは…ご想像にお任せします。

いかがでしょうか。すぐに覚えられたと思います。

外国語を覚える場合はネイティブの音声を聞いてから、連想しているときにその音(声調言語の場合声調も)が頭の中で鳴り響くようにして下さい。

もちろん私たちは比較的にすぐに覚えられるものもありますのでその時に使う必要はありません。どうしても覚えられない単語があるときにこのペグ・ワード・メソッド使ってください。

 

タクタイルアプローチ

人間の体の中で一番大きい器官、それは皮膚です。仮に全部伸ばしたら1.6㎡以上にもなると言われています。

このように皮膚は神経細胞が最も伸びているので過敏です。雪がちょっと触れただけでも冷たさを感じるのではないでしょうか。

この敏感な皮膚を記憶力アップに応用したのが「タクタイル(感触)アプローチ」です。

方法は簡単です。覚えたい言葉を目で見ないで皮膚だけで読むのです。つまりその言葉を指で腕や背中などの皮膚に書き込み、感覚で理解するのです。

これはできれば二人一組で行いましょう。またはグループで輪になってそれぞれ目の前の人に文字を書き込むことができます。

もちろん一人でやることも可能です。自分の腕などに覚えたい言葉を指で書き込んでみましょう。

また、脳は変化を好みますのでいろいろな場所に書いて下さい。最初肩の後ろに書いたら腕、手など変えていくことができます。最初は大きい文字で簡単なものから始めましょう。

この方法は実際に行ってみると、最初は皮膚に何を書かれているかあまりわかりません。

しかし、慣れてくるとすぐにわかるようになります。そしてたいてい男性よりも女性のほうが早くなれます。

実際に紙に書いて覚えるという学習方法より時間がかかりますが、他の勉強の合間にこの方法を行うなら、楽しく、そして文字通り体で記憶することができます。

 

ジャズチャンツ

すべての言語は音楽にすることができます。これを利用した記憶術が、覚えたい短い文をジャズやチャンツのリズムに合わせて記憶する方法です。

手をたたいたり、タップをふんだりしながらリズムカルにしてください。イントネーションや声調があるならそれをリズムに使います。

下記に日本語と英語の文を書いてみました。スラッシュの記号を参考にジャズやチャンツにできるでしょうか。

バターと/パンを/とって/ください♪(繰り返します)
Pass/batter and/bread please♪(繰り返します)

慣れてきたら文を組み合わせてだんだん長くしていきましょう。ここからは日本語だけでいきます。手や足でリズムを取るのを忘れないで下さい。

お腹が/すいて/きたので/バターと/パンを/とって/ください♪

さらに長くしていきましょう。

朝から/何も/食べてない/お腹が/すいて/きたので/バターと/パンを/とって/ください♪

いかがでしょうか。ちょっと繰り返しただけでこの意味のない文は脳裏から離れられなくなっていると思います。

少しリズム感が求められますが、文を丸ごと覚えたいときに効果的です。もし文は忘れてもリズムだけ残っているのですぐに思い出すことができます。

また、このように音楽を取り入れた学習方法は右脳も刺激されるため、脳全体をか使うことができ記憶に定着します。

 

睡眠学習

ここで提唱したいのは「ちゃんと寝る」ということだけです。徹夜で勉強するというのは感心なことですが、実は記憶することに関しては余りよくありません。

寝ることによって初めてその日の情報が整理され、まとめられるからです。

これは「レミセンス」といって、眠るすなわち外界からの情報をシャットダウンしたときに海馬が情報を整理しているのです。

このことは夢を見ることにも関係があります。

私たちは覚えている、覚えていないにかかわらず必ず夢を見ています。それは今日見た映像や考え方などがスライドのように映し出されていくのです。

そしていらない情報は消去され、必要な情報は潜在意識の中に整理されていきます。

寝る前にはなかなかまとまらなかった問題や考えが、朝起きたときまとまっていることがあるのはそのおかげです。

また、海外に語学学習でがむしゃらに勉強しても全然上達しないと思って、一時帰国した後再び海外に行くと急にしゃべられるようになった、という人の話も聞きます。

それは海外で大量に得た情報が帰国して長い間レミセンスによって整理されているからでしょう。

なので、寝るのがもったいないから睡眠時間を削って勉強するよりは、寝る前に大量に情報をインプットするほうが、記憶力をアップさせるためには効果的な学習法だということです。

そしてそのあと整理は脳に任せてしっかりと体を休めましょう。

 

シュリーマン学習法

考古学者ハインリッヒ・シュリーマンの勉強法についてご紹介します。

シュリーマンは考古学者として偉業を残していますが、それと同じほど有名なのが語学の達人であるということです。

彼は独学でなんと18ヵ国語も精通し、しかもそれを流ちょうに話すことができました。

彼の自伝「古代への情熱」の中にはその勉強スタイルが以下の六つの点にまとめられています。

1.非常に多く音読すること
2.決して翻訳しないこと
3.毎日1時間あてること
4.常に興味ある対象について作文を書くこと
5.4で作成した作文を教師の指導によって訂正すること
6.前日直されたものを暗記して、次の時間に暗唱すること

文法の勉強や翻訳をしないでひたすら音読、作文、暗記をするという彼の勉強スタイルです。早いものでは6週間で一つの言語を習得できたようです。

このように記憶したい文章を毎日音読する、理解したことに基づいて作文しそれを暗記するというスタイルは言語だけではなくさまざまな勉強にも応用できます。

言語学習の場合、音読は「目で見る」「口で話す」「耳で聞く」という三つのことを同時にしているため、読解聴解スピーキングが鍛えられます。

そして作文は、自分の使いたい単語や言い回しを実際に書いてみることで理解でき、それを暗記または音読するなら自分の会話スタイルを早い段階でマスターすることができます。

まとめ

「すぐ忘れなくなる」記憶力を高める方法

 

記憶力がアップするための必要な情報

・私たちはみな記憶力が良い

・忘れることは必要

・記憶のメカニズム

・脳は必要なものしか覚えない

・脳をとにかく使おう

・記憶しようとすることが良い

・記憶すればするほどさらに記憶しやすくなる

日常生活から記憶力を高める方法

・何事にも興味を持とう

・色々な角度から情報を仕入れよう

・幸福な人は記憶力も良い

・いつも積極的な見方をしよう

・生徒ではなく教師になる

・酸素をたくさん取り入れよう

・記憶力が高まる食材を摂ろう

・変化のある学習をしよう

記憶力アップに効果的な復習方法

・効率の良い復習のタイミングとは

・効果的なノート術

・マインドマップの効果が高い理由

・細かい部分にこだわりすぎない

効果的な記憶術

・教育的エクササイズ

・連想記憶術

・タクタイルアプローチ

・ジャズチャンツ

・睡眠学習

・シュリーマン学習法

 

記憶するのはあまり楽しいことではないかもしれませんが、生きていく中で記憶しなければならないものはたくさんあります。

これらの方法を活用して「暗記するのが得意」と言えるようになれることを願っています。

コメント コメントが多い記事もあります。読んでみるとモチベーションアップに繋がります。

タイトルとURLをコピーしました