内臓や腹膜などの周辺に発達する脂肪を「内臓脂肪」といいます。
内臓脂肪は内臓へかかる負担を和らげるクッションとして機能したり、各臓器に栄養を供給するという役割を担っていたりもするのですが、その一方でさまざまな病気に繋がるリスクも存在するということも知られています。
内臓脂肪が過剰に蓄積されることで起こり得る病気としては糖尿病、高血圧症、動脈硬化などがありこれらは命にも関わる重大な病気となります。
こうしたリスクを回避するためには、やはり内臓脂肪が過剰に蓄積されることを回避し、一度付いてしまった脂肪を落とさなくてはならないのですが、それには一体どのような方法があるのでしょうか?
そこでこの記事では、「内臓脂肪の落とし方」について具体的なダイエット方法をお伝えします。内臓脂肪を落として、病気などのリスクを防ぎ、理想の体型にも近づきましょう。
内臓脂肪の落とし方|お腹の脂肪がみるみる消えるダイエット法15選
食べるものを考える
内臓脂肪を落とすためには、やはり食生活の改善がもっとも重要です。日頃から「どのようなものを食べればよいのか」ということについて、しっかりと考えておく必要があります。
内臓脂肪がつきやすくなる食べ物としては、まず第一に肉や揚げ物など脂分が挙げられます。
また、お米やパン、麺類、その他甘いものなどの糖分の多い食品は、体内にて分解され脂肪として蓄積されていきます。
さらに、内臓脂肪を落とす際には、お酒はなるべく飲まないほうが良いということも知られています。
米や麦、芋、果物などから作られた酒は、それ自体が糖質の塊といえるほか、アルコールが肝臓の働きを弱めるため脂肪が分解されにくくなるということもあるのです。
その一方で、逆に脂肪として蓄積がされにくかったり、脂肪の燃焼を促進させたりする効果を持った食品も数多く存在します。以下では、それらの食品について簡単に紹介していきます。
野菜類
野菜類などに含まれる食物繊維は脂肪分を吸着し、そのまま便として体外に排出させます。
また、食物繊維によって満腹感が得られやすくなるため、過食を防ぐという効果もあります。
寒天、コンニャク
寒天やコンニャクなどはほとんどカロリーのない食品であり、その一方で豊富な食物繊維を含んでいます。
豚肉
豚肉に含まれるカルニチンやビタミンBなどは、代謝効率を上昇させ、脂肪の燃焼を促進させます。
また、アラキドン酸は満腹中枢を刺激し満腹感を感じやすくさせます。
青魚
サバやイワシ、マグロなどに多く含まれるEPA、DHAは血液の脂肪(中性脂肪)が増えてしまうのを防ぐ働きがあります。
中性脂肪は血液の粘度を高めドロドロにし、代謝を落とし、結果として内臓脂肪を含め全身の脂肪が落ちにくい体質を作り上げてしまいます。
柑橘類
柑橘類にはそれぞれの種類にさまざまな健康成分が含まれているのですが、それらに共通して含まれる成分としてイノシトールがあります。
このイノシトールは、肝臓において脂肪の蓄積を防ぐ働きをします。
コーヒー
コーヒーに含まれるカフェインとクロロゲン酸には脂肪の分解を促進させる働きがあります。
また、カフェインには血行を良くして代謝を助ける働きもあるため、継続して摂取することにより内臓脂肪の付きにくい体質を作り上げることが可能なります。
酢
酢には糖が体内で脂肪として蓄積されるのを抑える効果があるほか、脂肪の燃焼を促進する効果もあります。
このように内臓脂肪に効果的な食品は多々存在するのですが、その他のものにおいて特筆すべきなのが、さまざまな種類の「お茶類」です。
杜仲茶
杜仲茶はデトックス効果が高いことで知られ、体内の脂肪分を効率よく排出していきます。
その効果の高さから、古くは下剤として使用されていた歴史もあります。
びわ茶
びわの葉は、古くから薬草として大変重宝されてきたことで知られています。
そのびわの葉から作られたびわ茶には、糖分から脂肪が生成されるのを防ぐ効果、血流を活発化する効果、老廃物などを排出する効果などが存在します。
プーアル茶
プーアル茶もまた、高いデトックス効果を持っているということが知られています。
また、糖分が脂肪として蓄積されるのを抑える効果、血行を改善する効果などもあります。
緑茶
近年急速に注目を集めているのが緑茶に含まれるカテキンという成分です。
カテキンは脂肪の蓄積を妨げる効果、および肝臓内にて脂肪の分解を促進させる効果を持っています。
ウーロン茶
ウーロン茶に含まれるポリフェノールには脂肪分の吸収を抑える効果があります。
特にポリフェノール成分の濃い黒ウーロン茶は、その効果も高いということが知られています。
正しく断食をする
断食は、内臓脂肪を落とす効果が非常に高い方法です。
一般的に内臓脂肪は体に蓄積されやすい反面、消費されるのも速く、皮下脂肪に比べて落としやすいということが知られています。
そのため1〜2日程度断食をし、体を軽い飢餓状態にするだけでその多くを消費してしまうことが可能になるのです。
ただし、断食はくれぐれも正しい方法で行う必要があります。
正しい断食を行うポイントとしては、
・断食の前日、断食後1日は食事の量を減らし、消化器官を休めておく
・断食中も完全に何も口にしないのではなく、水やジュース1杯程度は摂るようにする(水分補給は欠かさない)
・断食中は激しい運動や作業などはせず、安静に過ごす
などが挙げられます。
夜間は物を食べない
断食とまでは行かなくとも、内臓脂肪を落とすにあたり、夜間に物を食べないというのは非常に有効です。
人間の体は、夜間は代謝を落とし休息状態に入るようにできているため、夜間に摂取されたカロリーは代謝によって消費をされにくく、そのまま脂肪として蓄積されてしまいます。
人間が食べ物を消化するのにかかる時間はおよそ4時間程度であり、代謝のピークは15時から17時と言われております。
ですので、毎日の食事は昼食を多めに摂り、夕食は軽めに済ませるというのが良いでしょう。
よく噛んで食べる
物を食べる際、内臓脂肪を付けないために気を付けたいポイントとして、「よく噛んで食べる」ということが挙げられます。
「噛む」という動作は脳内の神経ヒスタミンの量を増加させます。このヒスタミンが満腹中枢を刺激し、それによって自然と食欲にストップがかけられるのです。
野菜から食べる
食事の順番に気をつけることも、ダイエット効果を高めるためには有効です。食事は、サラダなどの食物繊維を含んだものを最初に摂るようにしましょう。
野菜を最初に食べることで、炭水化物の吸収を緩やかにし、血糖値の上昇を抑えることができるため、日中の空腹感を減らし間食などを防げるので、結果的に1日全体の摂取カロリーを抑えることが期待できます。
有酸素運動をする
食生活の改善に次いで、有酸素運動もまた内臓脂肪を落とすのに大変重要な方法となります。
ただし有酸素運動は短期間行うのみではなかなか効果を得るということはできず、慣れない体で激しい運動を起こすとかえって健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
ですので、もし運動によって内臓脂肪を落とし、健康効果を手に入れるという場合には、ウォーキングや遅めのジョギングなど、軽めの運動を長期間に渡って継続するのが良いでしょう。
目安としては1日あたり20分程度の運動を、毎日欠かすこと無く行いましょう。
有酸素運動の種類としては代表的なウォーキング、ジョギングの他に、サイクリングや水泳、ダンスなども挙げられます。
日常生活の中で運動をする
1日まとまった時間の運動を毎日行うということが難しい場合には、日常生活の中で運動を取り入れるという方法もあります。
日常生活の中でできる運動としては、エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を使う、自動車ではなく自転車を使う、電車にのる場合は一駅手前で下車し歩くようにするなどが挙げられます。
また、これらのほかに、起床時などに寝転んだまま行う膝上げ運動もあります。
これは仰向けに寝転んだ状態で、膝を胸のあたりまで持って行き抱え込み、また元の位置に戻すというもので、5〜10回程度これを繰り返しましょう。
筋肉量を増やす
有酸素運動には内臓脂肪を直接消費し減らす効果がありますが、一方で無酸素運動にはこれを消費しやすい体質を作るという間接的効果が期待できます。
無酸素運動の代表的なものとして筋力トレーニングが挙げられます。筋肉量が増えることにより、体では代謝が活発化し、それによって脂肪が消費されやすくなるのです。
特に、30歳くらいを境に人間の筋肉量は徐々に減少していくので、中高年世代のダイエットにおいて筋トレは必須であると言われています。
人体の筋肉の内、特に内臓脂肪と関連が深いとされているのがインナーマッスルです。インナーマッスルとは背骨の周辺や腰回り、腹筋などの筋肉であり、身体のより深い部分に付いているものです。
腹筋は通常の上体を持ち上げる腹筋運動で鍛えるのが一般的ですが、前項「日常生活の中で運動をする」の中で紹介した膝上げ運動もまた腹筋強化に一定の効果を持ちます。
他にも、室内で簡単に腹筋運動を鍛えることができるアイテムを使うのもオススメです。使い方次第で全身の強化も期待できます。
入浴を工夫する
入浴の方法を工夫することで、内臓脂肪を落とすことに繋げていくということも可能です。
そもそも入浴という行為は、それだけでもカロリーを消費することができ、1回の入浴につき消費されるカロリーは、おおよそジョギングで言うと2〜5キロ分程度であると言われています。
また、入浴によって体が温められた状態でストレッチなどをすることはリンパ液の流れを活発化し、それによってさらに脂肪の燃焼効率を高めていくことが可能となります。
他にも入浴剤などの形で柑橘系の香りを取り入れるのも効果的です。柑橘系の香りは交感神経を活発化させる作用を持ち、それによって脂肪の燃焼をさらに促進させることができます。
体を冷やさない
体温が低い状態が続いてしまうと、内臓の消化吸収機能が弱まり、基礎代謝を落とすことにつながってしまいます。
逆に、体温が高い状態を維持することで、代謝の活性化を助け、より多くの脂肪燃焼効果を促進させることができます。
体を冷やさない工夫としては、
・冷たいものは食べない、飲まない
・毎日入浴する
・お腹を温める(腹巻をする)
・足を温める(靴下を履く)
・運動する(筋肉をつける)
などが、挙げられます。
禁煙をする
喫煙は、内臓脂肪の蓄積を促進する生活習慣の一つです。
タバコに含まれる一酸化炭素はヘモグロビンと結合することで血流を滞らせ、代謝を低下させることで内臓脂肪が消費されにくい状態を作り出します。
また、ニコチンは内臓脂肪の蓄積を促すホルモンの一種であるコルチゾールの分泌を増加させ、さらに男性ホルモンの分泌を増加させ内臓脂肪が付きやすい体質を作り上げてしまいます。
以上のような状態を防ぐという意味で、禁煙をすることにより内臓脂肪を貯めにくくするということが可能となります。
サプリメントを利用する
サプリメントにはさまざまな種類のものが存在しますが、その中には内臓脂肪を落とすのに効果を発揮するものも存在します。
また、それらのサプリメントは、大きく分けて4つのタイプに分類することが可能です。
油から精製されたもの
一つ目は、DHAやEPAなどの青魚に含まれる油から精製されたものとなります。
これらは血液をサラサラにし循環効率を高め、代謝機能を向上させることにより内臓脂肪が消費されやすい体質を作り出します。
体温を上昇させる効果を持ったもの
二つ目は、ショウガや唐辛子などから作られた、体温を上昇させる効果を持ったものです。
体温が上昇するということは代謝機能が向上しているということを意味し、内臓脂肪が燃焼するのを促進する効果を持ちます。
酵素を用いたもの
三つ目は、野菜や果物から抽出された酵素を用いたサプリメントで、酵素にもまた代謝機能を活発化させる効果を期待することができます。
リパーゼを配合したもの
四つ目は、近年注目を集めつつあるリパーゼを配合したサプリメントで、リパーゼはキノコや発酵食品などの菌類に含まれる酵素となります。
漢方薬を利用する
漢方薬にもまた、内臓脂肪の減少に効果を持つものが存在します。
具体的には老廃物の排出を促進させる効果を持つ防風通聖散や、代謝機能を活発化させる効果を持つ九味半夏湯加減方などがこれに該当します。
エステを利用する
痩身エステを利用して内臓脂肪を落とすという方法もあります。
近年のエステティックサロンには、お腹周りの脂肪に対して集中的に働きかけるコースなども充実をしてきており、そうしたサービスを利用することもオススメです。
ただし、痩身エステは3ヶ月など、比較的長期間に渡って通い続けなければならないという場合が多く、そのためある程度の出費は覚悟しなければなりません。
ストレスを溜めない
内臓脂肪を貯めにくくする方法としては、ストレスを溜めない生活を送るのが一番とされています。
人間の脳は、ストレスを「異常事態」として認識します。そして、その異常事態に備えるためコルチゾールというホルモンの分泌を増やし、栄養素として脂肪を蓄積しようとします。
そのためストレスの多い人においては、内臓脂肪が貯まりやすくなってしまうのです。
日頃からストレスを溜めやすいという人は、内臓脂肪に対処するという意味でも積極的にストレス解消に取り組むようにしましょう。
まとめ
内臓脂肪の落とし方|お腹の脂肪がみるみる消えるダイエット法15選
・食べるものを考える
・正しく断食をする
・夜間は物を食べない
・よく噛んで食べる
・野菜から食べる
・有酸素運動をする
・日常生活の中で運動をする
・筋肉量を増やす
・入浴を工夫する
・体を冷やさない
・禁煙をする
・サプリメントを利用する
・漢方薬を利用する
・エステを利用する
・ストレスを溜めない
これらの方法の内、自分にできそうなものから選択して内臓脂肪を落としていきましょう。
この記事によって、あなたが理想の体型に近づく手助けになれば幸いです。
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