「チョコレートを食べるとニキビができる」など、ニキビと食べ物を結びつける噂は、よく聞きます。実際に、ニキビと食べ物には深い関係があるのです。
また、食べるとニキビができやすい食べ物があるように、食べるとニキビが治る食べ物もあります。毎日の食べ物でニキビのない肌を手に入れられたら、理想的ですよね。
そこでこの記事では、ニキビに効く魔法の食べ物と、ニキビに悪影響を与える最悪な食べ物の両方をお伝えします。
根本の食生活を改善してニキビで悩む日々から卒業しましょう。
食生活で綺麗な肌に大変身!ニキビにとっても効く魔法の食べ物たち
まずはニキビの種類を知ろう
ニキビには、大きく分けて「思春期ニキビ」と「大人ニキビ」の2種類があります。
どちらも毛穴の中で悪玉アクネ菌が増殖するという発症の仕組みは同じですが、それが起きるまでのメカニズムに違いがあります。
まずはあなたのニキビがどちらのタイプなのか、確認しましょう。
タイプ | 年代 | できやすい部位 | 原因 |
---|---|---|---|
思春期ニキビ | 10代 | Tゾーン(鼻・額) | 過剰な皮脂 |
大人ニキビ | 20代以降 | Uゾーン(フェイスライン) | 乾燥・古い角質 |
思春期は体を作るための「成長ホルモン」の分泌が盛んになる時期で、成長ホルモンの影響で皮脂腺が刺激され、皮脂が過剰となって発生するのが「思春期ニキビ」です。
一方、20代以降に女性ホルモンのバランスの崩れや、精神的なストレス、食生活の乱れなどで「肌のターンオーバー」が乱れたときに発生するのが「大人ニキビ」です。
「肌のターンオーバー」とは、肌の生まれ変わり(新陳代謝)のサイクルのことです。新しい細胞と古い細胞が約28日間の周期で入れ替わり、肌が生まれ変わりを繰り返していくリズムのことを「肌のターンオーバー」と呼びます。
このターンオーバーがさまざまな原因で乱れると、肌が乾燥したり、古い細胞である角質が肌に溜まったりして大人ニキビが発生します。
まとめると、思春期ニキビは成長ホルモンによる皮脂過剰、大人ニキビはターンオーバーの乱れによる乾燥と古い角質が主な原因です。
あなたのニキビが思春期ニキビ・大人ニキビ、どちらのタイプなのか分かったら、それぞれに合った食べ物を取り入れていきましょう。
思春期ニキビに効く食べ物
皮脂分泌の過剰を抑える食べ物
成長ホルモンの刺激で皮脂分泌が過剰になっている場合、その分泌量を抑えてくれる食べ物が有効です。
皮脂分泌を抑制する成分には下記のような成分があります。
ビタミンC
ビタミンCは皮脂分泌抑制力の強い成分です。
ビタミンCは、キウイフルーツ、レモンなどの果物に多く含まれています。
ビタミンB6
ビタミンB6は、脂質の代謝を促進して、過剰な皮脂を適切な量に調整します。
ビタミンB6は、にんにく、まぐろ、酒粕に多く含まれています。
皮脂の質を良くする食べ物
分泌される皮脂の質が悪いと、肌の上で酸化が進みニキビの原因菌である悪玉アクネ菌が増殖しやすくなります。
そのため、同じ脂でも質の良い脂にすることが必要です。良質な脂質として摂りたい成分は下記の通りです。
DHA・EPA
DHA・EPAはオメガ3脂肪酸の一種で、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす良質な脂質です。
DHA・EPAは、サバ、イワシ、サンマなどの青魚に多く含まれています。
αリノレン酸
αリノレン酸は、DHA・EPAのもととなる成分です。DHA・EPAと合わせて摂取すると、さらに効果が期待できます。
αリノレン酸は、くるみ、亜麻仁油、荏胡麻油に多く含まれています。
大人ニキビに効く食べ物
女性ホルモンのバランスを整える食べ物
女性ホルモンには、美肌ホルモンといわれる「エストロゲン」と、ニキビを引き起こす原因となる「プロゲステロン」の2種類があります。
大人ニキビができている人は「エストロゲン」が少なくなり、「プロゲステロン」が多くなっている傾向があります。このバランスをケアしてくれる成分を取り入れましょう。
イソフラボン
「イソフラボン」は、エストロゲンとよく似た働きをする成分です。生理前のニキビなど、女性特有のニキビに効果を発揮します。
イソフラボンは、大豆、納豆、豆腐などの大豆類に多く含まれています。
エストロン
「エストロン」は、エストロゲンの一種です。イソフラボンと同様に、エストロゲンと同様の効果が期待できます。
エストロンは、ザクロに豊富に含まれています。
肌の乾燥をケアする食べ物
大人のニキビは乾燥している場所にできやすくなります。乾燥は肌の抵抗力が弱まっている状態だからです。
そこで、肌にうるおいを与える食べ物を多く取り入れましょう。
セラミド
セラミドは、肌の表面に存在して、バリア機能を形成している成分です。
このバリアは、外からの刺激を跳ね返す役割と同時に、肌の内側のうるおいを外へ逃がさない役割を果たしています。
セラミドは、こんにゃく芋や玄米に多く含まれています。
ビタミンA
ビタミンAは、NMF(天然保湿因子)の生成を促す成分です。肌のうるおいを守り健康な状態を保ちます。
ビタミンAは、卵黄、レバー、うなぎに多く含まれています。
角質が溜まるのを防ぐ食べ物
古い角質は、肌の奥から新しい肌細胞が生まれ、押し上げられることで剥がれていきます。
このサイクル(ターンオーバー)がスムーズにいかないと、古い角質が肌の上に溜まり続けることになり、大人ニキビの原因となります。
ニキビが長引く人は、ターンオーバーを活性化させてくれる食べ物も積極的に摂りましょう。
ビタミンE
ビタミンEは、肌の血行を促進し、新陳代謝を活性化する成分です。
ビタミンEは、アボカド、アーモンド、オリーブ油に多く含まれています。
ビタミンB2
ビタミンB2は、別名「発育のビタミン」ともいわれ、肌細胞の再生に関わるビタミンです。ビタミンB2が不足すると角質肥大を引き起こしやすくなります。
ビタミンB2は、レバー、うなぎ、カレイに多く含まれています。
亜鉛
亜鉛は、肌細胞が分裂する際になくてはならない補酵素として働く成分です。亜鉛が欠乏すると、肌が作れなくなります。
亜鉛は、牡蠣、牛肉、チーズに含まれています。
精神的ストレスを緩和する食べ物
大人ニキビと精神的なストレスは密接に関係しています。
精神的なストレスを緩和してくれる成分は下記の通りです。
トリプトファン
トリプトファンは「セロトニン」の材料となる成分で、セロトニンは別名「幸福ホルモン」とも呼ばれています。
セロトニンが不足するとうつ病を発症するなど精神的な病になりやすく、ほとんどの抗うつ剤は脳内にセロトニンを増やすことを狙って設計されたものです。
トリプトファンは、肉類、大豆、バナナに多く含まれています。
カルシウム
カルシウムは不足すると感情のコントロールが難しくなることが知られています。「イライラするのはカルシウム不足」といわれるのはそのためです。
カルシウムは、ヨーグルト、ひじき、小松菜に多く含まれています。
全てのニキビに共通して効く食べ物
ここまで、思春期ニキビ・大人ニキビそれぞれの特性別に必要な食べ物をお伝えしてきました。
ここからは、どのタイプのニキビにも共通して効く食べ物をご紹介します。
悪玉アクネ菌の繁殖を防ぐ食べ物
全てのニキビは悪玉アクネ菌の繁殖によって引き起こされます。悪玉アクネ菌の繁殖を防ぐためには、腸環境を整えることが必要です。
乳酸菌
腸内で悪玉菌が増え、毒素をスムーズに排泄できなくなると、悪玉アクネ菌の繁殖にも拍車をかけてしまいます。
乳酸菌を補給して、腸の中を善玉菌でいっぱいにしましょう。
乳酸菌は、ヨーグルト、ぬか漬け、味噌に含まれています。
水溶性食物繊維
乳酸菌のエサとなるのが、水溶性の食物繊維です。大腸で分解されて乳酸菌のエサとなるのです。
水溶性食物繊維は、リンゴ、オクラ、ひじきに多く含まれています。
皮脂の酸化を防ぐ食べ物
悪玉アクネ菌は、「酸化した皮脂」をエサに繁殖します。皮脂の酸化を防ぐためには「抗酸化作用」の強い成分を摂りましょう。
アスタキサンチン
抗酸化といえば「ビタミンC」や「ビタミンE」が有名なのですが、アスタキサンチンは別名「最強の抗酸化成分」とも呼ばれるほど強力な抗酸化効果があります。
その抗酸化力は、ビタミンCの6,000倍、ビタミンEの1,000倍ともいわれます。
アスタキサンチンは、サケなどの赤い色素の成分で、赤い魚介類に多く含まれ、特にサケ、エビ、カニには豊富です。
コエンザイムQ10
アスタキサンチンと同じく抗酸化力の強い成分がコエンザイムQ10です。
コエンザイムQ10は抗酸化力のみならず、ビタミンEの働きをサポート働きもあるため、ビタミンEと一緒に摂ると相乗効果が期待できます。
コエンザイムQ10は、イワシ、大豆、ブロッコリーに含まれています。
ニキビ痕(跡)になるのを防ぐ食べ物
タンパク質
いち早くに新しい肌を生成し、ニキビを痕として残さず完治させるためには、タンパク質の補給が欠かせません。
タンパク質は、肉類、卵、魚介類に含まれています。
鉄分
鉄分は、コラーゲンを生成する際に必要な成分です。鉄分がないと、充分にニキビ後の肌を補修することができません。
鉄分は、レバー、小松菜、レーズンに含まれています。
ニキビに悪影響を与える食べ物
最後に、ニキビに悪影響を与えるために避けて欲しい食べ物をお伝えしましょう。
皮脂腺を刺激する食べ物
皮脂過剰になると、どうしてもニキビができやすくなるため、皮脂腺をできるだけ刺激しない食生活が重要です。
皮脂腺を刺激する食べ物には、以下のようなものがあります。
血糖値を急上昇させる食べ物
血糖値が急上昇すると「インスリン」が過剰に分泌されますが、インスリンは皮脂腺を刺激します。
血糖値を上げやすい食べ物は、白砂糖、精製された穀物(白米、白いパン)、果糖を含む果物などです。
一気にたくさん食べると血糖値が急上昇しますので、適量をよく噛んで食べるようにしましょう。
動物性脂肪の多い食べ物
動物性脂肪は体内に脂質を増やすので、増えすぎた脂質が皮脂腺で過剰な皮脂となって分泌されることになります。
動物性脂肪の多い食べ物には、脂身の多い肉、バター、生クリームなどがあります。
一方、同じ動物性脂肪でも、魚の脂身には中性脂肪や悪玉コレステロールを減らす効果があるので、肉類によりも魚を積極的に食べましょう。
極端に辛い物、スパイスなどの刺激物
極端に辛い物やスパイスなどの刺激物は皮脂腺に刺激を与えて活性化させてしまいます。
「食べると汗が吹き出すような食べ物」は、ニキビには良くないと覚えておきましょう。唐辛子のたっぷり入ったキムチや辛すぎるカレーは避けましょう。
活性酸素を増やす食べ物
活性酸素が増えると、「肌のサビ」が進行し、ニキビはできやすく治りにくくなり、何度も繰り返すようになります。
活性酸素を増やしてしまう食べ物には、下記のようなものがあります。
食品添加物・化学調味料
活性酸素の本来の役割は、体に入ってきた細菌やウィルスと戦うことです。つまり、体にとって悪者と認識される食べ物は、すべて活性酸素の原因となります。
特に食品添加物や化学調味料は、体内に入ったときに異物として扱われることも多く、食べ過ぎると活性酸素を増やすことにつながります。
カップラーメンやインスタントスープ、ハムやソーセージなどの練り物、スナック菓子などに大量に含まれることが多いので、食べ過ぎには注意しましょう。
酸化した脂質が含まれる食べ物
酸化した脂質は、活性酸素を活性化し、さらに周囲にまで酸化を広げていく特性があります。
食べ物は、時間が経てば経つほど、酸化が進んでいくため、調理してから時間が経った食べ物は、酸化していると考えましょう。
特に、ポテトチップスや揚げせんべいなどの揚げ菓子や、市販の揚げ物のお総菜には注意が必要です。
トランス型脂肪酸
「トランス型脂肪酸」は、マーガリンやショートニングなどを人工的に製造する過程で発生する物質で、活性酸素と相乗的に作用することが知られています。
アメリカでは近年使用が中止されるなど、体への悪影響が懸念されているほどです。
トランス型脂肪酸は、マーガリン、ショートニングに含まれています。コンビニなどで買い物をする場合には、商品のパッケージを確認して、マーガリンやショートニングの含まれていないものを選びましょう。
補足:チョコレートはニキビの原因になるの?
冒頭で「チョコレートを食べるとニキビができる」というフレーズをご紹介しましたが、チョコレートとニキビの間に因果関係はありません。
ただ、チョコレートにもさまざまな種類があります。ニキビに悪影響となる要素を含んでいるチョコレートは、ニキビの原因となり得るでしょう。
例えば、「白砂糖をたっぷり含み、生クリームが練り込んであって、マーガリンが配合されている」ようなチョコレートなら、ニキビができやすくなります。
逆に、糖分がカットされていたり、高カカオチョコならば、ニキビになりにくいと言えます。
まとめ
食生活で綺麗な肌に大変身!ニキビにとっても効く魔法の食べ物たち
思春期ニキビに効く食べ物
・皮脂分泌の過剰を抑える食べ物
・皮脂の質を良くする食べ物
大人ニキビに効く食べ物
・女性ホルモンのバランスを整える食べ物
・肌の乾燥をケアする食べ物
・角質が溜まるのを防ぐ食べ物
・精神的ストレスを緩和する食べ物
全てのニキビに共通して効く食べ物
・悪玉アクネ菌の繁殖を防ぐ食べ物
・皮脂の酸化を防ぐ食べ物
・ニキビ痕(跡)になるのを防ぐ食べ物
ニキビに悪影響を与える食べ物
・皮脂腺を刺激する食べ物
・活性酸素を増やす食べ物
・補足:チョコレートはニキビの原因になるの?
ニキビに効く食べ物には、さまざまな種類があります。それだけ、ニキビにはたくさんの栄養素が関わっているのです。
でも、難しく考え過ぎることなく「バランスの良い食生活」を心掛けることが、ニキビの根治につながります。
ご紹介した食べ物を中心に、毎日の食生活に気を配ってみてくださいね。
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