「ふくらはぎが筋肉痛で痛い・・・」、「なぜかふくらはぎばかり繰り返し筋肉痛になってしまう」、「ふくらはぎの筋肉痛がなかなか治らない」など、ふくらはぎの筋肉痛に悩んでいませんか?
実はふくらはぎは体全体の筋肉の中でも、特に筋肉痛を起こしやすいことが知られています。それは「人体の中でも特に酷使されやすい部分であるから」です。
二足歩行である人間が歩行のときにかかる圧力はとても大きく、歩いたり走ったりする度に体全体を支えているのがふくらはぎの筋肉のため、負荷や疲労が蓄積されやすいのです。
とは言っても、いつまでも痛みや張りを感じたままだと、日常生活もスムーズに過ごせないことから、すぐにでも解消したいという気持ちになりますよね。
そこでこの記事では、自宅でもできるとっておきの「ふくらはぎの筋肉痛の治し方」についてお伝えします。
ふくらはぎの筋肉痛をすぐに回復する方法
冷やす
急にふくらはぎが筋肉痛となった場合、まず応急処置として行ってもらいたいのが該当箇所を「冷やす」ことです。こうした行為を「アイシング」とも呼びます。
筋肉痛が起こっている箇所を冷やして、その部分の血流を抑えることで、痛みの原因である神経伝達物質が血液に乗って流れてくるペースを落とし、痛みを和らげることにつながります。
また、筋肉痛の部分の毛細血管を収縮させることにより、一時的に炎症を抑えることもできます。
ただし、アイシングはあまりに長期間に渡って行うと凍傷などのリスクがあるので注意が必要です。目安としてはどんなに長くとも、一回あたり15分を目安に、期間にして2日までにしておくのが良いでしょう。
温める
アイシングによってある程度筋肉痛が抑えることができた、もしくはある程度時間が経過した筋肉痛に対して行いたいのが「温める」という対処法です。
一般的に筋肉痛の原因は、疲労物質である「乳酸」が蓄積されることで発生するのですが、筋肉痛の箇所を温めて血流を活発化させることで、この乳酸を早く体の外に排出することができるようになります。
さらに、血流を活性化させることによって酸素や栄養素の供給も活発化し、筋肉組織の修復を早くすることも可能となります。
具体的な方法としては、濡れタオルを電子レンジで30秒ほど温めて使ったり、カイロを布で包んだものをふくらはぎに当てて使用すると良いでしょう。
もちろん、お風呂のお湯に浸かることで温めることもできます。お湯に浸かる場合は、必ずしも全身である必要はなく足湯だけでもOKです。
また、お湯に浸かる方法に関連して、「温冷浴」という方法もあります。これに関しては、次項にて詳しく紹介をいたします。
温冷浴をする
温冷浴とは、文字通り温かいお湯と冷たい水で交互に筋肉痛を起こした箇所を刺激するという方法です。
この方法を行うことで、冷水による鎮痛効果や消炎効果と、温水による新陳代謝の活発化の効果とを同時に得ることができます。
温冷浴はふくらはぎの筋肉痛を治癒するのに非常に効果的な方法とされますが、その一方で注意したい点があるのも確かです。
まず、お湯に浸かる前にしっかりと冷水で患部を冷やし、痛みを和らげるてから温水を行いましょう。痛みが強いままの状態で温かいお湯に浸かってしまうと、炎症を強めさらに筋肉痛を悪化させてしまう原因になります。
また、高血圧気味の人や心臓が弱い人は全身入浴は避けるようにしましょう。温冷浴は心臓など循環器系に大きな負担となってしまう危険があります。
テーピングをする
数あるふくらはぎの筋肉痛を改善する方法のうちでも、最もお手軽なのがこのテーピングをするという方法です。
筋肉痛が起こっているときというのは、該当箇所の筋肉が弱っているときでもあります。テーピングをすることで筋肉を補強し、負担を軽くすることで回復を早めるよう促すことができるようになるのです。
また、テーピングは同じく筋肉の補強という点において、筋肉痛を事前に予防する効果も持ちます。
ふくらはぎのテーピングの方法にはさまざまなパターンがありますが、原則としてふくらはぎに沿うように縦にテープを貼っていき、最後にかかとの部分を包み込むようにテープを貼りましょう。
マッサージをする
筋肉痛を起こしている箇所の筋肉は非常に強く凝り固まっています。マッサージによって凝り固まった筋肉を解きほぐすことで、筋肉痛の治りを早くすることができます。
また、ふくらはぎのマッサージは蓄積された乳酸を排出し、同時にリンパ液の流れを良くする効果もあるため、特に効果が高い方法と言えるでしょう。
マッサージは専門家の手によって施術を受けるのがもちろん一番良いのですが、ここでは自宅で簡単にできるマッサージ法についていくつかご紹介します。
テニスボールを使ったマッサージ
テニスボールの準備が必要なマッサージですが、やり方は簡単です。
まず台の上にテニスボールを置き、テニスボールの上にふくらはぎを乗せ、その状態で仰向けに横になり、脚を前後左右に動かし、筋肉痛が起こっている箇所をテニスボールでマッサージします。
片足立てマッサージ
仰向けに横になった状態で片足を立て、その膝の上にもう片方の脚のふくらはぎを乗せます。
そしてそのままの状態でふくらはぎを前後に動かしマッサージを行います。
オイルマッサージ
オイルが必要になりますがやり方はとても簡単で、オイルを少量手に取り、手でふくらはぎを両側から掴むようにして滑らせながら前後左右に動かしていきます。
筋肉痛に効果のあるオイルの種類としてはラベンダー、ゼラニウム、ローズマリーなどがあります。
ただし、これらの種類のオイルには微量ではあるものの神経毒性が存在しているため、妊娠中の人は使用を控えるようにしてください。
マッサージの注意点
このようなマッサージは筋肉痛を和らげる効果がある反面、やり方によっては逆に状態を悪化させてしまう可能性もあります。
マッサージは筋肉の凝りをほぐし、乳酸の排出を促進するために行いますが、やり方や時期を間違えると筋肉組織が損傷してしまったり、さらに炎症がひどくなってしまうことがあります。
このような症状は「揉み返し」とも呼ばれ、揉み返しは強くマッサージしすぎたり、筋肉痛の原因である炎症が収束をしていない状態でマッサージをした場合に起こりやすくなる傾向があります。
そのため、筋肉痛に対しては何よりもまず冷やすことを優先し、冷却によってある程度炎症が収まったことを確認してから、その次の段階としてマッサージなどを行うようにしてください。
ストレッチをする
前項で紹介したマッサージと同じく、軽めのストレッチにも筋肉を解きほぐし乳酸の排出を促進する効果があります。
ここからは、そうしたストレッチ方法についていくつかご紹介します。
筋膜ストレッチ
まずふくらはぎの中で筋肉痛を起こしている箇所を特定します。両手の親指を重ね、その指で筋肉痛を起こしている箇所を押さえます。
この際、痛みを感じないギリギリの強さで押さえるように注意をしてください。そのままの状態で足首を縦に10回ほど動かします。
腓腹筋ストレッチ
足を前後に開き、筋肉痛を起こしている方の脚を後ろに置きます。そのままの状態で体の重心を前に倒し、ふくらはぎを伸ばします。
この際、後ろの脚のかかとが地面(床)から離れないよう注意をしてください。
ヒラメ筋ストレッチ
まず片膝を立てた状態で座り、筋肉痛を起こしている方の脚を地面(床)に付けます。そのままの状態で体の重心を立てている方の脚の方(右もしくは左)にかけていきます。
両手は立てている方の脚の上に置くようしますが、もしどうしてもバランスが取れない場合には地面に付けておいてもOKです。
そして最後にそのままの状態で深呼吸をします。この際、立てている方の脚のかかとが地面に付くよう注意をしてください。
ストレッチの注意点
これらのストレッチをするときの注意点として、絶対に無理をしないようにしましょう。過度のストレッチは却って筋肉組織を損傷させ、状態を悪化させてしまう場合があるからです。
また、マッサージの「揉み返し」と同じように、筋肉痛が起こった場合にはまず患部をしっかりと冷やし、ある程度炎症を抑えてからストレッチを行うようにしてください。
栄養補給をする
栄養補給をすることによって筋肉組織の回復を促進させるという方法です。
筋肉痛に効果を持つ栄養素としては、何といってもまずタンパク質が挙げられますが、それ以外にもさまざまなものが存在します。ここからはそうした栄養素およびその効果について紹介をしていきます。
タンパク質
タンパク質は筋肉組織を構成するための物質で、筋肉を修復するのには欠かすことのできない栄養素となります。
筋肉痛を回復させために1日に取りたいタンパク質の量は「体重×グラム」(体重60キロなら60グラム)で、もし激しい運動によって筋肉痛の痛みも強いならその2~3倍取る必要があります。
タンパク質は動物の肉、卵、乳製品、大豆製品などから効率的に摂取することができます。
クエン酸
これまでお伝えした通り、筋肉痛の原因となるのが乳酸の蓄積ですが、クエン酸には乳酸の生成を抑える効果があります。
さらにクエン酸には血行を促進する効果もあり、栄養素の供給効率を高めるため筋肉組織の修復スピードを早めてくれます。
クエン酸は、柑橘類、酢、レモン、梅干しなどから摂取をすることができます。
亜鉛
亜鉛には新陳代謝を促進し、乳酸の排出を促進させる効果があります。
亜鉛はレバーなどの内臓肉、貝類やナッツ類から効率的に摂取をすることができます。
ビタミンB類
ビタミンB類には乳酸の分解を促進する効果があります。
ビタミンB類は豚肉、内臓肉、玄米などから効率的に摂取をすることができます。
プロテイン
ここまでご紹介した栄養素を効率的に摂取するための方法としてプロテインは非常におすすめです。
そもそもプロテインにはタンパク質が豊富に含まれており、食材から摂取するよりも体内への吸収速度も早いため、筋肉痛の改善に劇的な効果があります。
また、筋肉痛の治癒を促進するだけでなく筋肉を増強する効果も期待できるため、飲み続けることは筋肉痛になりにくい体質に変わることができます。
プロテインは粉末状のものや液体状のもの、あるいはお菓子に含まれるものなど、さまざまなタイプがありますが、牛乳と合わせることでより効率的に摂取をすることが可能となります。
特に、粉末状や液体状のものは牛乳と混ぜて飲むようにすると良いでしょう。
軽い運動をする
「筋肉痛が起こっているときはなるべく運動を控えた方が良い」と考えている人は多いのではないでしょうか。
確かに激しい運動は筋肉痛にとって良くないのは確かですが、軽めの運動は筋肉痛からの回復を促進させるために効果的なのです。
軽めの運動は、筋肉痛によって筋肉組織が固く縮まり血流も悪くなっている状態をほぐし、伸ばす効果があります。
筋肉痛からの回復のために推奨される運動法として、まず水泳がおすすめです。水泳は水の浮力によって身体に負担をかけることなく運動でき、筋肉痛に限らず広くリハビリテーションのメニューとして用いられています。
また、その他の運動法としては軽めのウォーキングやサイクリングなどもおすすめです。
ただし、これら運動をするときにも筋肉への負荷を大きくしないことを心がけてください。負荷や負担が強すぎると、炎症を逆に大きくしてしまう可能性がありあます。
睡眠を取る
ふくらはぎに限らず、筋肉痛を解消するためにはしっかりと睡眠を取ることが欠かせません。
睡眠中に人間の体では成長ホルモンが大量に分泌され、この成長ホルモンが損傷した筋肉組織を修復し、さらに筋肉の増強も行います。
通常、1日あたりに適切な睡眠時間は6〜8時間程度であると言われていますが、筋肉痛で体が多くの休息を必要としている場合、さらに1〜2時間ほど長めの睡眠時間を確保するようにしてください。
医薬品を用いる
貼り薬(湿布薬)や塗り薬、あるいは痛み止めや漢方薬などの医薬品類を用いることで筋肉痛を解消するという方法です。
ここからはそうした医薬品の種類およびその特徴などについて紹介をしていきます。
湿布
皮膚の上から薬品を貼り付けることによって、皮膚の毛細血管から薬用成分が吸収され、効果を発揮する医薬品です。
筋肉痛に対して使用すると、痛みを早く抑えることができます。湿布は性質上、塗り薬と比べてベタつかないメリットもあります。
ただ、デメリットとしては第一にかぶれやすいという点です。
また、ぜん息の持病を持っている人は痛み止め成分であるアスピリンにより発作を引き起こす場合があり、同じく痛み止め成分により胃の不快感や胃潰瘍などが引き起こされる可能性があります。
鎮痛剤
経口摂取をすることにより筋肉痛の痛みを緩和する医薬品です。
鎮痛剤のメリットは、何といっても痛みを感じることなくスムーズに生活を送ることができることです。
しかしその一方で、この「痛みを緩和する」性質が、同時にデメリットにもなってしまうのが鎮痛剤の特徴です。
鎮痛剤の効果はあくまでも「痛みを緩和する」ことであり、「痛みの原因を改善する」ことではありません。鎮痛剤を飲みこれまでと同じような生活を送ることにより、筋肉の炎症や筋肉組織の損傷を悪化させてしまう可能性もあります。
さらに、そもそも「痛み」というのは体からのSOS信号です。鎮痛剤によって痛覚が鈍ってしまうことにより、その他さまざまな怪我や病気のリスクを見逃してしまうことも考えられます。
漢方薬
ふくらはぎの筋肉痛を改善する効果を持った漢方薬には、「芍薬甘草湯」があります。
芍薬甘草湯は筋肉の収縮を緩和し、結構を改善する効果を持ち、漢方薬の中でも比較的即効性が高いことも知られています。
芍薬甘草湯のデメリット・副作用としてはむくみや血圧の上昇、倦怠感などがあります。
まとめ
ふくらはぎの筋肉痛をすぐに回復する方法
・冷やす
・温める
・温冷浴をする
・マッサージをする
・テーピングをする
・ストレッチをする
・栄養補給をする
・軽い運動をする
・睡眠を取る
・医薬品を用いる
繰り返しになりますが、ふくらはぎに筋肉痛が起こった場合に、まずやるべきなのは「冷やす」ことです。とにかく患部を十分に冷却し、炎症をある程度抑えることを心がけるようにしてください。
また、筋肉痛を少しでも早く治すためには無理をしないことも重要です。無理やり処置をして治そうとするのではなく、ゆっくりと筋肉を休ませるということを心がけるようにすると良いでしょう。
コメント コメントが多い記事もあります。読んでみるとモチベーションアップに繋がります。