「草食系男子」という言葉が話題となってから既に何年もが過ぎてしまいましたが、このような若者の傾向は変化をしていないどころか、より普遍的、一般的なものとなっているようです。また、もちろん男性だけでなく女性にも「恋愛に興味が無い」という人はたくさんいます。
というわけで、今回は「恋愛に興味がない原因」として考えられることをまとめていきたいと思います。それでは、早速見て行きましょう。
草食系の極み、若者の恋愛ばなれとは
他にやりたいことがある
趣味や仕事など、「やりたいこと」が存在する場合、恋愛への興味はどうしても低くなってしまいます。
これは特に男性に顕著な傾向であるとされ、日本法規情報株式会社の統計調査によると、「恋愛に興味が無い」と答えた男性の内、約半数が理由としてこれを挙げているそうです。
インターネットなどメディアチャンネルが多様化することにより、多様な情報にアクセスする人が増えた結果として、それぞれの個人が異なった興味や目的を持つようになったということでしょう。
性産業の多様化
恋人を作る際の動機付けのひとつに「性欲の解消」があると思います。古い時代には「性産業」というと風俗店や春画などのイラストしか存在せず、高い代金を払って性欲を満たさねばなりませんでした。
ところが、それ以後写真の登場やマスメディアの普及により写真やビデオなど、より手軽に性欲を解消することが可能となりました。
また、漫画文化の延長線上にある「二次元萌え」の文化の登場により、そもそも「実在の異性」の存在すらも必要としない性的嗜好も一般化しました。
周囲からの圧力
近年若者層に増えているのが恋愛をすることで周囲の人間関係から浮いて孤立してしまう、あるいはさまざまな形で同調圧力がかかることによって恋愛に及び腰になり、そのまま興味をなくしてしまうというケースです。
例えば恋愛には告白や相手とのコミュニケーションが欠かせませんが、そこで失敗をすることで周囲にそれが噂として広まり、自分の立場が危うくなってしまうということが挙げられます。
また、恋人との関係にのめり込むあまり同性の友人との関係が薄れたり壊れてしまうことを恐れたり、その他にも「付き合って別れて」を繰り返すことにより「ビッチ」「ヤリチン」などと思われてしまうという恐怖心もあるようです。
このような刷り込みが続くことにより「恋人より友人を優先」という価値観が広まっていきました。
また最近では「恋愛関係になる」ということ自体が周囲の人間関係を危うくしてしまうというケースも増えているようです。その原因としては「リア充」という概念が広く一般化したということが挙げられます。
「リア充」とはもともとインターネット上において使用される「リアルライフが充実している人」という意味のスラングであり、自虐や嫉妬のニュアンスがありましたが、これが広く社会全体に浸透したのです。
「リアルが充実している人」を「自分達とは関係のない、遠くの人」と認識することが一般化することにより、「恋愛をしている」ということがむしろ「孤立している」という状態に結びつくようになってしまったのです。
恋愛にトラウマがある
過去の恋愛によってトラウマを植え付けられ、それにより恋愛に興味をなくしてしまうということも多くあります。
悲劇的な別れ方をしたり、浮気などをされ裏切られたと感じることにより、恋愛から遠ざかろうとしてしまうのです。
結婚をしたくない
20代も半ばを過ぎてくると、次第に男女関係においては「結婚」が意識されるようになって来ます。本人たちにその気は無くとも、親族や仕事上の年長者がそれを期待するということもあります。
ところが近年では男女ともに「結婚をしたくない」という価値観の人が増加しており、それに伴い結婚を迫られたり期待されなくても済むようにとの考えから恋愛自体からも遠ざかろうとする人も増加しているようです。
経済面や精神状態に余裕が無い
所得が低いなどの理由によりファッションや美容、デートなどの費用を捻出することが難しいなどの理由から「酸っぱい葡萄」的な学習的無気力状態になり、恋愛に興味を失ってしまうということは珍しくありません。
特に1995年以降日本人の所得は減少の一途を辿っており、それが高度成長〜バブルの感覚でマーケティングを行うメディア産業との齟齬を生み出し、より恋愛からの疎外感を強めているということはよく指摘される話です。
また精神疾患や、そこまでの問題はなくとも精神的に追い詰められているなどの理由により恋愛どころではないという人も少なくはありません。
アセクシャルである
アセクシャルとはノンセクシャルとも言い、ヘテロ(異性)にもホモ(同性)にも性的欲求を感じないという人のことです。
全人類のおよそ1%が先天的にアセクシャルであると言われています。
まとめ
草食系の極み、若者の恋愛ばなれとは
・他にやりたいことがある
・性産業の多様化
・周囲からの圧力
・恋愛にトラウマがある
・結婚をしたくない
・経済面や精神状態に余裕が無い
・アセクシャルである
いかがでしたか?
一口に「興味が無い」と言っても、それは主体的な選択として「興味を持っていない」のか、それとも社会や周囲の環境によって「興味を奪われている」のか、その線引は非常に曖昧で難しいものなのです。
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