上司・教育係たるもの「叱る」という行為を避けて通ることはできません。
しかし、その「叱り」が本当に部下に「叱り」として届いているでしょうか?もしかしたらパワハラとして受け取られてしまっているかもしれません。
今回は、叱りを相手にコミュニケーションとして伝達させ、やる気を引き出す方法をご紹介します。
指導力のある上司が実践!部下のやる気を引き出す上手な叱り方6つ
相手のリアクションを見誤らない
叱り方の基本として、叱る前には『叱りを怒りに変えないように』自分の感情をクールダウンさせて対応するということは一般常識で、上司・教育者なら当然理解していると思います。
しかし、いざ叱り始めたら・・・。気がついたら自分でもその気はないのに、普段より強く叱ってしまっていた。というケースは少なくありません。
パワハラの芽もそこにあります。原因は相手のリアクション(反応)を見誤っていることです。
自分が一生懸命伝えているのに、相手のリアクションが薄いとなると、より強く伝えなければと思いヒートアップしてしまって、信じられない罵詈雑言や言わなくてもいい言葉をいってしまうパワハラスパイラルに巻き込まれていくのです。
部下は、上司から叱られたり指導を受けるということで緊張し、萎縮してしまうのは当たり前です。
部下のリアクションが薄いこと(普段より薄くなること)を念頭において、叱りコミュニケーションを行いましょう。
また、部下のコミュニケーション状態を日頃から確認しておく必要があります。もしかしたら日頃からリアクションが薄い傾向のある部下なのかもしれません。
そうなると叱られた時は、さらにリアクションは薄くなるわけですから、特定の人だけに激しく怒ってしまうことになりかねません。
叱るタイミングを考える
よく、トラブルが発生した(あるいは発覚した)直後に叱る方がいます。そうなると部下は、トラブルの対処や解決策を考えながら上司の叱りを聞いてしまうことになります。
トラブル発生時はただでさえ気持ちが動揺しています。ここで、上司が叱っている部下は、動揺しているので余計に「一方的に怒鳴られた(怒り認識)」とコミュニケーションにギャップが生じてしまう原因になります。
まずは、部下にトラブル対処へ集中させる為、上司・教育係もトラブルをどう対処するかを一緒に考えたり、本人が考えることが容易になるようフォローに集中すべきでしょう。
その後、予防策等の話を行いながら原因を振返り、指摘する事が重要です。
叱り目線の意識
上から目線の叱りコミュニケーションでは、相手に誤解を生みやすいものです。叱る目線を変えてアプローチしてみることも一つの方法です。
例えば、「以前、自分にも覚えがあるんだけどこんな失敗をしてね・・・」など、自身の失敗例を教えながら失敗を共有して指摘したり、「君はやり方を間違えているだけで・・・」など、相手を認めながら指摘する方法で一方的に要求を押し付けるとの誤認を防いでいくのです。
非言語コミュニケーションの意識
部下のやる気を削ぐ、あるいはパワハラと誤認識してしまいやすい最大の叱りコミュニケーションは会話ではなく、ため息やしぐさ、声の強弱(語調)などの非言語的コミュニケーション要因です。
言葉を部下にかける前にその事を認識して声をかけましょう。特に声は要注意です。同じ言葉でも声の強弱によって受け取られ方が違ってきます。
適正な声を出しているかどうかは、自身の呼吸で分かります。呼吸が速くなったり荒くなったりすると感情も乗りやすく、怒りとして認識されてしまいます。
しっかり叱ることの重要性
「チームの雰囲気を乱す」「部下がうつになったら」「パワハラと言われたら」などと叱る前にあれこれ考えてしまい、叱れなかったり・ポイントがずれたり・遠まわしに叱って結局、何だったのか分からないような叱りになってしまう方がいます。
しかし、部下はいつの時代でも「それはいけない」と道理を含んでシッカリ指摘された方が、納得できるものです。
注意された方が軌道を修正しやすいですし、「きちんとする」という責任感も生じやすく、上司への信頼感、さらにはやる気も生まれてきます。
叱るときはストレートに注意された方が心に響くのです。
叱りをディスカッションに変える素敵な一言
これから叱ろうと身構えているよりはまず、導入部に感謝の言葉から入ってみるのはどうでしょうか。
「いつも頑張ってくれて助かってるよ。」導入部で感謝の言葉を言うことによって、ともすれば怒りにしふとしてしまいそうな叱りコミュニケーションも趣が変わってきます。
そして、早い段階で「一緒に~しよう。」と、問題の解決案だったり改善案や今後の方針等のディスカッションへの移行を提案しましょう。
そうすることで叱るコミュニケーションを部下により伝達しやすくするのも一つの方法です。
まとめ
指導力のある上司が実践!部下のやる気を引き出す上手な叱り方6つ
・相手のリアクションを見誤らない
・叱るタイミングを考える
・叱り目線の意識
・非言語コミュニケーションの意識
・しっかり叱ることの重要性
・叱りをディスカッションに変える素敵な一言
貴方の叱りコミュニケーションが、部下のやる気アップにつながるよう是非、実践してみてください。
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