メールは日常的に使われるコミュニケーションツールですが、上司とのやり取りには気を使わなければいけません。文字が独り歩きしてしまうためにフォローができない可能性があるからです。
今回はビジネスパーソンとして知っておくべき、上司へのメールの注意点を紹介します。
ビジネスマナー講座!上司へのメールで気を付けるべき10の注意点
メールでいいの?
まず、上司へのメールの最重要ポイントは「メールを使った方が良いかどうか」の見極めです。
すぐに伝えないといけない報告や連絡はメールより直接話す方がいいことは当然ですが、内容を確認した後に何か指示があるような場合(指示があることが予測できる場合)はメールを避け、電話や直接話す方を選択することが重要です。
先輩や自分を指導する立場の指導担当者にはより円滑なコミュニケーションをはかるためにこの見極めの精度を高めることが必要です。
報告完了のタイミングとは
メールを送信したら報告完了・連絡を終えたと思い込んでいる方がいらっしゃいますが、相手がメールを見て内容を確認するまで報告や連絡は完了していません。
特に役職が上の上司は送られてくるメールの量があまりにも多く、あなたのメールを見逃してしまう可能性もあります。
内容にもよりますが返信のない場合は「メールご覧いただけましたか?」という確認のコミュニケーションをとる必要があります。
この時、気をつけないといけないのがタイミングです。送信した内容に期限がある場合は準備の時間を考慮して逆算したタイミングで声掛けを行います。
また、その際には相手の状況も重要になります。
上司が何かあわただしく作業をしている状態であれば声掛けを避け、上司が他の社員と雑談を始めたり、休憩をとろうとしているタイミングを見計らい報告するのが一般的です。
上司はレスポンスを見る!
メールは相手からの返信があるまできちんと届いたのか、相手が理解しただろうか、正しく伝わっただろうか常に不安になってしまうコミュニケーションツールです。それは上司も同じことです。
メールを受信したら「メール受け取りました。」「承知いたしました。」という簡単な返信だけでも忘れずに迅速に行いましょう。
よく調べてからでないと返信できない場合や調整が必要とする依頼等は、なかなか返信できないのも分かりますが、そのような場合は
「内容を検討してから改めてご連絡いたします。」
「○○(部署や他の人)と調整しご報告いたします。」
などの文章をそえて返信するとよいでしょう。
宛名・宛先を確認する
ビジネスメールの注意点として一番重要なのが宛名と宛先です。メールは一括で送信できる便利な機能を備えたツールですが、それだけに慎重になる必要があります。
宛先を間違えて送信してしまうと情報の流出になります。特に上司に送るメールには重要なデータを添付していたり、機密事項を含んでいることもあるので、宛先は確実に選び必ず確認したうえで送信しましょう。
また、役職の間違いや誤字を事前に防ぐためにも、アドレス帳のメンテナンスは忘れずに行いましょう。
定期的にメールを送る上司や同僚はグループ毎に分けて管理することで、対象のグループを選ぶだけで効率的にメールを送信することができます。
また、会社の組織変更や人事異動に伴う役職の変更や、結婚による苗字の変更なども忘れずに確認しましょう。
わかりやすい件名
次に件名ですが、受け取り手がすぐにメールの内容を把握しやすいように、内容を簡潔にした件名で送るようにしましょう。
また、役職者は、多くの業務や人に関わっているため、毎日たくさんのメールが届きます。
メールチェックだけでもかなりのボリュームになるため、タイトルで優先順位を付けて、最低限必要な内容だけを開封しあまり関係ないと判断したメールは、永遠に開かないままということもあります。
なので、タイトルを目立だせる工夫が必要です。
目立たせるコツとしては、【 】や< >を使うことで目に留まりやすくなります。しかも、タイトルを見るだけで、ある程度内容を把握できます。
例)【報告:対応完了】<○○○システムトラブル対応>
また、定期的に開催する会議の通知などは、タイトルのみで送信するのもスッキリして良いでしょう。大量のメールにうんざりしている上司に喜ばれます。
例)【タイトルのみ:会議通知】<2016/1/15定例会議:第一会議室10:00-12:00>
また、緊急時のメール等には件名の前に【至急】や【緊急ご相談事項】など通常のメールと違う事が相手に認識しやすくする工夫をする必要があります。
タイトルの初めに【至急:○○○について確認お願いします】と入れて、急ぐ事をタイトルでアピールしましょう。
この時、上司と会話できる状況であれば、メール送信後に「○○○についてのメールを送りましたので、確認をお願いします。」と声をかけることで確実な仕事に繋がります。
また、上司が会議中などで、話すことができない場合は、上司の机にメッセージを置いたり、かなり緊急の場合は、上司にそっとメッセージを渡しても良いでしょう。
メールシステムによっては、受け手がメールを開封すると、送り手に既読メッセージが届くといった機能があります。あなたのメールの機能を確認しておきましょう。
挨拶と結びの言葉
メールには挨拶や結びの言葉も重要です。挨拶は「突然のメールで申し訳ありません。」などを用い、いきなり本題から始めないようにしましょう。
また、結びの言葉も「お手数をお掛け致しますがよろしくお願いいたします。」など感謝の気持ちを表記しておきましょう。
他にも、
「いつも遅くまでお疲れ様です。」
「プロジェクト、必ず成功させましょう!」
など、普段はあまり言葉を交わすことのない上司にも、メールの最後に一言つけ加えることで、コミュニケーションを取ることができます。
かなり親しくしている直属の上司などであれば、もっと気軽な内容でも良いでしょう。状況に応じて周囲へ心遣いをすることで、あなたに対する上司の信頼度もアップします。
わかりやすい本文
本文は相手に伝わるかどうかが重要なポイントになります。
上司へのメールは、丁寧に書いたつもりでも、正しい敬語になっていなかったり、言葉が重複してわかりにくい文章になっていることがあります。
日本語は、尊敬語、謙譲語、丁重語、丁寧語と、様々な敬語から成り立っており、その使い分けはとても難しいものです。
経験の浅いうちは、完璧を求めすぎず、「です・ます調」であるか、「ら抜き言葉」になっていないかを注意するようにしましょう。
また、無理をして難しい言葉は使わず伝えたい事を簡潔に書くようにし、職場に経験豊富な先輩がいれば、最終チェックをして貰うと安心です。
箇条書きで書く
多くの上司が限られた時間の中で、効率よく仕事をこなしたいと思っています。メールを開いた時に、だらだら書かれた長文が見えただけで、気が滅入るものです。
なので、伝えたい事柄は、出来るだけ箇条書きでまとめて、簡単に理解できるようにしましょう。
下記のようなイメージです。
例)会議開催通知
○○会議につきまして、下記の通り開催致します。
ご参集くださいますようお願い申し上げます。●日 時: 平成28年1月15日(金)
10:00~12:00
●場 所: 総務部 第一会議室
●参加者: 社長・総務部長・経理部長・・・(敬称略)以 上
このような会議通知等は、社内で定型があると思いますが、この他に業務連絡、営業報告やトラブルの相談なども、先ず自分で要点をまとめ、必要なことだけを上司に伝えるようにしましょう。
他にも重要事項がある場合は、フォントや色を変えたり、ラインを入れるなど、視覚的な印象が残るようにすると、忙しい上司でも内容を捉えやすく、効果的なメールになります。
送信者の名前
送信者の名前にも工夫をしておきましょう。メールを受け取った相手に誰からのメールなのかが明確に伝わるような送信者名になっていないと意味がありません。
メールアドレスや英文字のまま送信するのではなく、受信者の名前を日本語で登録しておきましょう。
上司への謝罪メール
上司に謝罪メールを送るときは、どの様な状況でその経緯になったのかを報告したくなりますが、まずはその気持ちを抑えて問題点からしっかりと報告することです。
文体は日常会話的なものはさけて丁寧に文章を表記するようにしましょう。その方があなたの誠意が伝わりやすくなります。
また、文章の結びはご迷惑をかけたお詫びにとどまるのではなく、この失敗を踏まえて自分はどうするのかを一言添えましょう。
メールはその時のあなたの気持ちや表情を伝えることができないツールです。この謝罪はメールがふさわしいのか自分自身に確認し、相手により伝わりやすい文章で書きましょう。
メールは誤解を生む可能性の高いツールなので、謝罪の時に使う場合は細心の注意を払う必要があります。
まとめ
ビジネスマナー講座!上司へのメールで気を付けるべき10の注意点
・メールでいいの?
・報告完了のタイミングとは
・上司はレスポンスを見る!
・宛名・宛先を確認する
・わかりやすい件名
・挨拶と結びの言葉
・わかりやすい本文
・箇条書きで書く
・送信者の名前
・上司への謝罪メール
いかがでしたか。
メールは優れた道具ですが、文字を並べただけでは、スムーズに仕事が進みません。仕事は「人と人のコミュニケーション」で成り立っていることを忘れないでください。
コメント コメントが多い記事もあります。読んでみるとモチベーションアップに繋がります。